最前線で働く医療業界人の本音を訊く!vol1-派遣会社編-(前編)

今回は、他職種から転職して現在5年ほど薬剤師を中心に扱う派遣会社で勤務している30代男性の方に話を訊いた。派遣会社から見る薬剤師や薬局業界の実際はどのようなものなのか。(訊き手:小原一将)

 

まず私が一番訊いてみたかった、現在の薬剤師の働き方について。
雑誌や報道で何度も取り上げられるように薬局業界への世間の風当たりは冷たい。そしてそれに呼応するかのような報酬改定による国の評価。そういった現状もあり、現在は一般的な薬局薬剤師業務ではなく新たな働き方を模索する人が増えてきている。

 

派遣で生計を立てて他の職種を兼業するなど新しい薬剤師の形を創り出そうとする風潮がありますがどのような印象ですか?

「世間の薬剤師のイメージがありますよね。それから外れすぎちゃうと、ちゃらくなってうさんくさく感じてしまう気がしますね。これは自分が30代だから持つ感覚なのかもしれません。」

「20代から見るとどうなんでしょう?!薬学生にとっては魅力なんですかね。僕からしたら在宅をやったり、何かを専門的にやっていたり、一人で薬局を経営されている薬剤師さんがそういう方よりもかっこいいと思いますね。」

 

現在の薬学生たちは恐らく敏感に感じ取っているはずである。薬局業界、薬剤師業界が右肩上がりではないことを。

それは現場で働く薬剤師たちより、もしかしたら認識が強いのではとも思っている。そのような影響もあってか、既存の薬剤師というイメージから離れた働き方を模索する人も多い。政府による「働き方改革」も手伝って、マルチキャリアやワークライフバランスについての意識も高いのだろう。

ただ、そういった風潮に飛び付いただけという人物もいなくはない。仕事上、様々な薬剤師と接する派遣業者スタッフのこの意見は興味深い。

薬剤師という職能を拡げるという意味では賛同しているのだろうが、一見すると何をしているのか分からないような薬剤師にはやはりうさんくささを感じるというのが本音のようだ。

もちろん時代は変わっていき、既存の薬剤師業務だけやっていれば良いという時代ではない。ただ、こういった印象を持たれることがあるということは、これから薬剤師資格を取得して社会に出る人たちには気をつけておくべきだろう。

 

そういった新しい働き方が主流になっていけば、そちらに派遣会社の客である薬剤師をとられる可能性もあるのでは?

「当然、何かしら手を打っていきますよね。客である薬剤師さんを多く獲得するために、facebookやインスタグラムなどでの登録を促したりとか時代の流れに沿った対応はもちろんですし。」

「ただ、そういった薬剤師(新しい働き方を模索する薬剤師)を集めてやろうとしている人たちとは共存の未来は見えませんね。広告費がかかることなので、エントリーがうちの広告費より安ければお願いすることも当然あるでしょうが。」

 

新しい働き方を目指す薬剤師たちを集めていくという流れもあり、そのような組織とは派遣会社の主業務がバッティングするのでは?という質問をぶつけてみた。

やはり働き方がどうであるかということよりも、まずはそれに対しての費用対効果の話が上がった。兼業やライフワークを重視するといった薬剤師の意識や状況の盛り上がりについては一定の関心を持ちつつも、それに対応していくというよりは会社としてやるべきことをしっかりと進めていくという姿勢というのがこの方から見えた派遣会社の印象だった。

そして共存の未来は見えないという一言。

このあたりから派遣業者の見るリアルな現実が浮き彫りになっていく。

中編に続く

 

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